2016年07月20日

せつさんの話その1

せつさんが縊れて死んだ。
せつさんのその話を聞いたのは何年もしてからだった。
せつさんは三人の息子と孫娘一人を育てあげた。
せつさんは当時六十歳を超えた年齢だった。
せつさんは自分に厳しく家を守る人だった。
せつさんはいつも静かに語る威厳のある人だった。
せつさんは小柄で大柄の旦那とは対照的な人だった。

せつさんに特別な興味が有ったわけではなかった。
せつさんのことは幼いころの話である。
せつさんに会ったのは数えるほどだった。
せつさんはいつも一人で黙々と働いていた。
せつさんを見たのは時折畑で仕事するときだった。
せつさんは本当に目立たない人だった。
posted by Tommy at 04:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 追憶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする